「3000円とか150円とかとつり合うような商品は,その時点ですでに意地汚い。お金なんかと同価値に堕ちてしまったものに,作品としての価値など残っていようがない。と,それは否定できないのだが」。
quote:アップル社と音楽レーベルは,iTunes ミュージックストアの1曲0.99ドルという価格設定について対立を続けている。アップルのスティーブ・ジョブズCEOは音楽レーベルを「どん欲だ」と非難しているが,ワーナー・ミュージック・グループのCEOはそれに対して反論した。同氏は0.99ドルが過去の価格設定だと云う気はないが,一部の曲はもっと高値でよいと述べる(もっと安い価格設定の曲について彼が言及していない点に注意しよう)。そして,アップルはiPodの販売を促進するために曲の価格を抑えているとし,iPodの収益をレーベルにまわすべきだと述べた。
わらた。そりゃジョブズからもどん欲だと云われるわな(Zeropaid.com Newsの記事)。もちろんアップルもどん欲はどん欲過ぎるんだけど,それを上回る音楽業界の意地汚さ。何年も見続けてきているけど,この終わることのない下品さは,音楽に携わっている人間はすべてそうなのかと勘違いさせるほどだ。音楽を仕事にする? なんて恥ずかしい,そんな,人間としてイコール恥と感じさせるような仕事をするとは…,なんて云われそうな。
もとはと云えば,音楽を売っているのは,そもそも違和感がなくはない。それはすでに商品であって,音楽作品の範疇からは逸脱してしまう。もちろんそんなことを云ったら,小説だろうと映画だろうとすべてがそうで,わたしたちは食べ物を買わずに生きてはいけないし,普通に生活するにもお金がかかる。だから人は音楽で儲けを得ようとする。でもそうすると,お金の価値でしか計れなくなる音楽はどんどん意地汚いものになっていく。そして,そのとき,コピーを促進してすべての音楽は情報として拡散すべき場所となるネットワークと音楽は,より仲が悪くなる。あぁ,誰かこのとことん苛まれる状況を改善してくれる大変革を起こしてくれる者に居ぬものか居ないな。
|